テキストサイズ

リモーネ

第4章 ツルバラ



「どう?」

あまりの衝撃に固まる俺の肩に手を置き、その上に顎を置いたかえで先輩が俺にそう言う。

「これは…なにごとですか…」

状況を飲み込めないまま目の前のそれを穴が開くほど見る




「これはね、世界のくまさん展だよ」

かえで先輩は俺の肩に手と顎をのせたまま近くの立て看板を指差す

「それは、見ればわかります…しかし、その主要くまさん(?)が、まさか、まさか、くま助とは…!!」

(覚えている方は少ないかもしれないが、くま助とはここにいるセナとその友人、凪が大好きなちょっとメジャーじゃないくまさんのことである。)

「そうだよ。だからグッズもいっぱいあるしね。」

かえで先輩は俺の方から離れ、肘の辺りを掴んでミュージアムショップの前へと連れていく。




そこには普段探すことも困難なくま助のグッズがかつてみたことないほどあふれ、それ以外にもくまさん展に展示されているとおぼしき数々の有名くまさんたちが所狭しと敷き詰められていた。

セナはくま助をこよなく愛してはしるが、もともとくまさんが好きな人間であるため、この空間は正に天国であった。

セナはあまりの感激にしばらく硬直していたが、かえでに手を引いかれてそのなかに突入していったことで我に帰った



ストーリーメニュー

TOPTOPへ