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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第6章 負けへんでっ!!

「またやるの?」


 でも、本当は自分も、もう一度したかった。


「こんなん勝ったうちに、入らん」


 すると、山本さんが「今日のん見てたら、私も玄武くんに入れるわ」と言い出した。


「おいおい、なにを言い出すんや!!」とラリ夫。


「だって、私、これ何回も見てるもん。それやったら、私も楽しませてほしいわ。だから、私を入れたら、今回は引き分けやわ」


「そんなんあり得へん。お前、審査員ちゃうやん」


 しばらくこの二人のいざこざがはじまり、僕がどのタイミングで帰ればいいのかわからなくなった。


 見てる者としたら、山本さんの意見もないわけじゃない。自分が見てて面白くなかったから、彼氏のラリ夫に噛みついたのだろう……たぶん。


 それか、こんな彼女だから、ラリ夫もマジックが上手くなれたのかもしれない。


 この日、結局、わけわからないかたちで解散。


 だけど、次にもしやるとき、今度は絶対負けないと心に誓った。


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