『奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開』第8章「偉大な人に会うも、横道に逸れるあの頃」　173ページ

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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第8章偉大な人に会うも、横道に逸れるあの頃

　叔父さんは言う。

「理容師はハサミとくしとカミソリがあれば、店をもたんでも、俺みたいに、どこの店に行ってもやっていける。調理師の夢は、悪くはないと思うけど、親父さんが守ってきたお店、長男のお前が頑張って継いでもええんとちゃうか」

　僕としては、自分の決めた道を自分の力で目指したいと思っていた。

　だけど、道は遠かった。

　調理師学校と自動車教習所、ため息が出るほど足りない。

　服も靴も新しい物を買わず、遊びにも行かず、工場と、マジックショップで働いたお金、まったく使わずに貯めてきた。

　だが、理容学校にはいける。

　少しばかり（１０万程度）出してはもらったが、車の免許も取りにいける。

　情けなくてね。頑張って稼いでも、調理師学校の費用の半分にも満たなかったんです。

　当時、理容師学校が１００万ちょっとかかるのに対し、調理師学校が１８０万から２００万かかりました。

　自動車免許取得に３０万くらい。

　プラスチック部品を作る工場で、まだ流れ作業場しか立たせてもらえなかったから、最初の３ヶ月間、給料が１０万なかったんですよ。