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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第9章 貧乏〜貧乏〜

 風呂に入ってるときは、おちつかなかった。


 番台から、こっちみてるからね。


 知ってるやつが来てたら気になるんだろうな。


 帰り際に「今日、仕事は?」と聞いたら、「オフ日。だから、手伝ってる」と言った。


 だが、ラリ夫とは腐れ縁というか、よくあうんだよ。


 理容の講習会があって、その帰りにカレーでも食べようと、入った店に、ラリ夫が食ってたり、新しいマジックショップが出来たから、行ってみると、そこにいたり、本当によく会った。


 だけど、組むことはなかった。


 やがて、会わなくなったんよ。まったくじゃないけどね。年1回か2回。


 まあ、連絡とるほど用事もなかったし、特になにもなかった。


 阪神・淡路大震災を過ぎて、ラリ夫が被災したってきいたけど、 ただ、その日にバイクで走っていたら地震が起きたって話をきいた。


 ケガはなかったみたいだけど、なんか、冷めた間柄になってったんだ。


 ようやく理容でも、まあまあ食べれるほどの給料も貰えるようになって、 貧乏から足を洗い、僕は今の理容店をやめた。



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