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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第2章 始めてみる

 でも、1つ謎が解けても、まだ謎が残る。


 カードが消えて、それが胸ポケットの中の封筒に入っている。


 高島屋で、河内さんが見せてくれたマジックを思い出す。


「あのあと、河内さんは僕にトランプを渡して、中を見てカードを探してって言った」


 それを考えて考えてしているうちに、おっちゃんの家を出ることに。


 タクシーで駅まで行って、お父さんが行きたかった温泉があるからと、そこに行った。どこに行ったか、覚えていない。


 ずっと手品のことを考えてたから。


 せっかくの家族旅行の楽しさを、自分でぶち壊してる。


 電車に乗ってる間、お昼の駅弁を食べる。


 目の前にはお父さんと妹。


 ……ん?


 来る時のことを思い出した。


 お父さんがトランプを取って、手品みたいなことをして遊んだ。


 それは、カードを手に隠すことによって、表の模様を変化させた。


「あっ……」


 ある方法が頭に浮かんだ。


 僕が引いたカードを、一番上に置いた。それをひっくり返した時、違うカードに変化していた。それは、2枚を重ねてひっくり返したために、変化したように見えた。



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