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僕らはずっと…

第11章 好き


私どうしてこうなっちゃたんだろう。


初めての感情に戸惑う。


自分が自分じゃないみたいだよ。どうすればこの気持ち、モヤモヤ無くせるの?







ル~〜ルルル〜ッ...♪







っ。携帯が鳴ってる。



画面を見ると、柊の名前が写っていた。



柊、きっと心配してる。私が突然いなくなって驚いてる。


出なきゃ。心配かけたくない。




ボタンを押せばいい。そしたら柊は来てくれる。



押さなきゃ。押さなきゃ。押さなきゃ。







……。





ゴメン。柊。出れない。


今会ってもきっとなんにも言えないよ。話せない。






私最近変だ。



柊に思いを告げられてから色々考えるようになったよ。


好きとか。恋とか。色々考えたよ。でも、全然わかんなくて、今の自分の気持ちも分かんない。




何も考えなくて良かった頃に戻りたい。


柊がずっとそばにいてくれるって思えてた頃に戻りたいよ。




涙がこぼれる。

悲しいわけじゃないのに。


辛いわけじゃないのに…。







「は、はる!!」






!!急に肩を掴まれる。びっくりして体がビクッとする。


この声、知ってるよ。



だって私の大好きな声だもん。





「はぁ。はぁ。春っ。」



柊が後ろにいる。

来てくれたんだ…。


電話出なかったのに。待たずに逃げたのに。






「何かあったの?大丈夫?」





柊。なんでそんなに優しいの?普通なら怒ってもおかしくないのに。


なんでそんな優しい言葉かけるの…。








「はる?」




柊が私の前に回り込んで顔をのぞく。


どうしよう涙見られちゃう。


急いで手で隠したけど、遅かった。




「春…。何があったの。俺がいないあいだに何かあった?」




答えなきゃ。でも、声が出ない。出てくるのは涙だけ。


もお。



柊の目を見る。まっすぐに私を見て、心配してる。柊は何も悪くないのに。

心配かけたくないのに。




「俺に、言えないこと?」




柊の寂しそうな顔。そんな顔しないで。言葉にしたいのに。





「っ。ちが、うの。何でもないの。柊はなんにも悪くないよ。」










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