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栖桜兄弟の未来設計

第3章 危険なのは……

学校に着いてクラスが別のため、「また後で」と言ってそれぞれのクラスへと入っていく。
渉が2組、俺が5組だ。

俺たちの通う高校は1クラスずつ学科が違うため、3年間クラス替えはない。
渉は工業科、俺は商業科のクラスだ。
それぞれのクラスで一番仲の良い友人を連れて屋上でお昼にしている。
教室に入ると俺の席の前に既に友人は座っていた。


「おはよう。樹。今日は来たな。」

「徹弥。おはよ。昨日のノート見せて。後でお礼するから。」

「お礼って何でもいいの?」


言い方が意味深だな…なんて思いながらも俺の頭の中は、昨日の授業のノートのことでいっぱいだったせいで頷いていた。


「お礼してもらうのって今日の放課後でいい?」

「ん?たぶん大丈夫。」

「じゃあ決まりね。」


俺は昨日の授業のノートをゲットした。
そしてその日のお昼に渉に今日の放課後のことを話した。
すると、渉も同じことになっていたようで、結局4人でということになった。


この時、俺たちは気付いていなかった。
徹弥と渉の友人である琉生が顔を見合わせてニヤリと笑っていたことを……。



何も気付くことのないままに今日の授業は終わり放課後になった。

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