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栖桜兄弟の未来設計

第1章 やっぱり今日は…

「んっ……っくっ……んあっ……」

「っあっ……っはあっ……」


深く唇を合わせ、互いの声を抑えようとはするものの、完全には抑えきれずに漏れてしまう。
外はもう明るい。
共働きの両親は仕事に行き、妹は学校に行った。
俺たちだけがまだ部屋にいることはとりあえず置いておくとして…。

俺たちは、物心ついた頃にはお互いに触れ合っていた。
一緒にお風呂に入り、同じものを見て、同じ場所で育ってきた。
離れる時間の方が短かったように思う。
誰よりも分かり合える存在。

目の前の自分と同じ顔、同じ容姿に欲情している自分もどうかと思うけれど…。
決して俺はナルシストではないと自分自身に言い聞かせる。
それでも目の前にいる兄弟を誰よりもキレイだと感じてしまう。

自分たちは自然に触れ合ってきた。
高校2年になった今でも。
毎朝恒例行事のひとつ。
互いに抜きあって、朝からスッキリ登校…のはずだった。
いつもなら………。
同時に果てて、息を整える。
声に出さなくてもよくわかる。


「疼いてきた……」

「うん。…どうする…?」


朝から発情しすぎた。
学校休んでもいいかな。
今日は行く気になれない。
そんなこと考えてたから、渉が声に出して言った。


「休むか。俺このまま学校行っても、落ち着いて授業出れる気しない。」

「全く同感。同じこと思ってたし。」


いつもはここでスッキリして登校するはずなのに、今日は無理だった。


「やっぱり昨日邪魔されたからだな。」

「うん。あれ原因だよなぁ。」


渉に病人役を任せ、俺が看病することにして学校に電話を入れた。

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