テキストサイズ

栖桜兄弟の未来設計

第2章 何で知ってるの…!?

まだ火照りが身体に残ったままの状態で帰ってきた妹と話すことになった。
気付かれてしまうのではとドキドキが止まらない。


「今日の夕食決まらないの?」


ソファーに座る俺の後ろから凜が声をかけてきた。


「何も浮かばないんだよ。凜は何かリクエストない?」


「うーん。適当でいいと思うけど。お父さんとお母さんは家で食べるって言ってた?」


そういえば両親に聞いてなかった。
殆ど外で食べて帰ってくる。
大半は酒を飲みたいという理由なんだけど…。


「樹。今返事待ち。」

「わかった。」


渉は俺が行動する前に動いてくれる。
渉が悩んでいる時、次にする行動が俺にわかるのと同じだろう。


「明日休みだからあの人たち飲み明かしてくるんじゃない?それより、今日マンガのモデルお願いね♪」

「わかってるよ。」


仕方なしの俺の返事に凜は不満げだ。
何故か嫌な予感しかない。
渉がニッコリ笑っていることも、何を考えているかもわかっているけれど、知らないふりだ。
そんな会話をしている間に両親から来た返事は、凜の予想通りに朝まで飲むから帰りは朝ということだった。


「チャーハンに唐揚げでいい?簡単だし、他に浮かばない。」

「いいよ。私、着替えてくるよ。」


凜は部屋に着替えに行き、無言の肯定が伝わってきた渉に、手伝ってもらい夕食を作った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ