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琉依短編集

第3章 君の刻印

あたしは、大切な人、蓮を亡くしたフラッシュバックに時々苦しむ。一直線に何かに打ち込んでいたい。あたしは、そう思いスタジオでギターを弾きまくっていた。


 パチパチパチ……。弾き終わると拍手が聞こえた。そこには、悠がいた。


「悠? どうしたの?」


「あぁ、今日は話があってな」


「何?」


 悠が話って何だろうと思い、恐る恐る聞いてみた。


「新曲、作らないか?」


「はっ?」


 あたしは、唐突なことで驚いた。


「琉依ならいい曲、書けると思うんだ。琉依、ギターもベースもドラムもキーボードもボーカルもオールマイティーで、
できるだろ?」


 確かにあたしは、全部できる。


「いいよ。その代わりにギタボさして?」


 私の思い全てを懸けて曲を作り演奏したいと思い悠に言った。悠は笑顔で言ってくれた。


「もちろん」


「ちなみに凄まじい音源になるから覚悟しといて」


 しかしこの時はまだ、本当に凄まじい音源になるとは、思っていなかった。


「あぁ。じゃあ、よろしくな」


「さて……家に帰るか」


 悠が部屋を後にしたのに続き、あたしも家に帰った。

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