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琉依短編集

第3章 君の刻印

自宅に帰る。あたしは、一人暮らしをしている。一〇〇五室。十階の五号室。二LDKでトイレ、バスルーム付き。一つの部屋は、防音でドラム一式とベースとギターを置いている。完全にバンドのための部屋だ。もう一つの部屋は、私の部屋。ベッド、クローゼット、テーブル、パソコンのあるだけのシンプルな部屋だ。


 何故こんな家に住めるかと言うと親が大手企業の社長だからだ。金持ちだけど昔からあたしは置き去り。だからあたしは、こんな風になった。あたしは、高校入学と共に親にこの家を借りられ引っ越してきた。親にとってあたしは、邪魔なのだ。仕送りだけは、きっちり五十万してくれるからもうどうでもいいが……。その仕送りを貯めて機材一式を買った。


 朝飯、昼飯、晩飯はかなり適当。部屋だけは、綺麗にしてるが……。

あたしは、帰りにコンビニで買ったパンを食べた後、i-potを持って音楽用の部屋に 行った。


 歌詞を考える。考える時、i-potでずっと聞いていた曲がある。某バンドアニメのバラードの曲だ。歌詞が完成した時には、泣いていた。マスカラのせいか涙が黒くなっていた。


 歌詞が完成すると無音の中、曲を考えた。目をつぶり五感を研ぎ澄ましイメージを形作る。そして楽器を持ち弾き歌うの繰り返し……。一つ一つのパートを録音する。そしてパソコンで合わせてみる。曲が完全に完成すると聞きながら弾きながら楽譜を書く。納得のいくまで根を詰めてやり込む。


 完成は、意外にも二ヶ月ほどで出来上がった。完成してから悠に電話をかけた。

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