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琉依短編集

第5章 one night love story~隣の音楽少女~

「そうか。あたしの家に泊まってく? 隣だし」

「でっ……でも女の人の家に泊まるのはちょっと……」

 そんなこと言ってる場合ではない……でも男女が一夜を共にするのは危ない。この女の人、何気に美人だし……。

「んなこと言ってる場合じゃねーだろ? 風邪ひきてぇのか? 寒い冬なのに……。それに、何かしてこようとしたら……ぶん殴るから」

 女はニコッと笑った。正直……怖い。

「それならそうさしてもらう」

 俺はそう言うと立った。女は隣の一〇〇五室の鍵を開ける。

「どうぞ」

 俺は女の後に続き部屋に入る。真っ直ぐ進んでリビングキッチンに行く。

「座って。ホットコーヒーでいいか?」

「あっ……はい」

「あー忘れてた。晩飯食ったか?」

「外で食べてきました」

「了解……はい、ホットコーヒー。砂糖とミルクはお好みで」

「ありがとう」

 俺は、好きなようにホットコーヒーに砂糖とミルクを入れた。女はカレーを食べている。手作りだろうか?

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