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琉依短編集

第5章 one night love story~隣の音楽少女~

「ん? 何?」

 また俺は無意識に見とれていたみたいだ。

「カレー手作りですか?」

「あぁ……ほぼ自炊してる。これは昨日の残り」

「あっ! 忘れてた」

「何を?」

「自己紹介。俺は、木村祐司、三十歳、A型。サラリーマンで姉と隣の一〇〇四号室に住んでる。ちなみに彼女なし」

「あたしは、月影琉依(ツキカゲ ルイ)。十八歳の高三。AB型。バンドでギタリストやってる」

 女子高生だった……てっきり二十歳前半だと思ってた。

「どうした?」

「本当に十八歳……?」

 俺は琉依に聞く。だって琉依は煙草吸ってるし……。

「十八だ」

「未成年が煙草なんて吸っていいのか?」

「本当はダメでしょ。元彼の影響。てか、ごめん。風呂入ってくるわ」

 琉依はそう言うと脱衣場へ入って行った。

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