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琉依短編集

第5章 one night love story~隣の音楽少女~

 二十分後……。

 琉依は戻って来た。タオル素材の黒のキャミソールワンピを着ている。髪はぺったんこになっている。俺は右肩に目がいった。蓮の花の入れ墨。

「それ……」

「ん?」

「肩の入れ墨」

「あっ……あぁ。後で話してやるから風呂入ってこい」

「いや……でも用意」

「風呂の着替えカゴに入れてる。百均のだけど新品だから」

「何であるんだ……?」

 俺は不思議に思って聞いた。

「バンドで男女混合で、あたしの家で、お泊まり会とかあるんだよ。いきなりノリで」


「なるほどな。じゃ入ってくるわ」

 俺は納得した。そして風呂に向かう。俺は風呂に入る。ほのかに琉依の香りがした。なるべく手早く済ませて風呂を出る。

 そして、リビングキッチンに行った。琉依はソファーに座りピクリとも動かない。寝ている。耳にはイヤホンをつけている。CDプレイヤーの横にCDケースが置いている。V系四人が並んでいて、文字は“Dark Moon、落ちゆく、作詞作曲 川村蓮(カワムラ レン)”俺は少し分かった気がした。俺は琉依に俺の上着をかけてやる。もう夜中の二時……俺は床で眠りについた。

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