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琉依短編集

第2章 蓮の花~刻む生きた証~

「蓮兄さんともしてるんだろ? 二階からいつも聞こえてた。ベッドの軋む音がね。俺意外への愛なんて吐き気がする」

 彬は、普段の彬じゃなかった。

「ちがっ……ふぇっ……。助けて……蓮」

 蚊の鳴くような声で私は、言った。

「蓮兄さんは、大学だから帰ってこないよ」

 その後、彬はあたしを意のままに操った。怖くて逃げれなかった。プツリと蓮からもらったペアネックレスが千切れた。何時間、そうしただろうか……。あたしは、人形のように動けなくなった。

「ただいま……っ」
 運悪く蓮が帰って来た。

「蓮」

「……」

 蓮は、無言で部屋を出てった。

 蓮は、何日も帰って来なかった。

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