テキストサイズ

琉依短編集

第2章 蓮の花~刻む生きた証~

 そしてある日。突然彬から告げられた。蓮が死んだという事実。大学の屋上から飛び降りたそうだ。

 蓮の携帯には、未送信メールの遺書があった。



琉依と彬

 これを読んでる頃には、俺は自殺してると思う。俺のせいで彬の幸せを奪っている。そう思うと辛かった。でも、琉依が好きで好きで仕方なかった。だから琉依と別れるなんてできなくて、どうすることもできなかった。

 そんなある日、俺は見た。彬が琉依を淫らな姿にしてるのを。俺は、止めれなかった。彬の気持ちわかってたし彬をそういう行動に走らせたのは、俺だったから。

 琉依、ごめん。俺が死んだらお前が苦しむのわかってた。でも、俺はこんな状態耐えられなかった。琉依、彬はわがままでバカでどうしようもない鬼畜だけどよろしく頼んだ。

 彬、琉依だけを大切にしろ。二人が付き合って二人が幸せになることを一番に望んでいる。

 俺が生まれ変わったら琉依とも彬とも出会わないところがいい。

 今までありがとう。お幸せに──。

川村蓮



「バカ……バカだよ」

 あたしは、そう言って泣いた。

「蓮兄さん……ごめん……ごめんな。ごめんなさい」

 彬もそう言って泣いた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ