一緒がいい。
第1章 素直になりたくて【O×N】
和は映画の撮影が立て続けにあって、俺は作品をずっと作っていて…。元々、被らないオフの日が仕事の関係でさらに合わなくなり、会うのも最近は5人のレギュラーの撮影ぐらい。
絶対的に足りてなかったのは確かなことで。
「さと?どしたの?」
「和」
「なぁにー?」
首を少しかしげながら聞いてくる和はものすごく可愛い。
もしかしたら…。唯一思い当たった原因を和に聞いてみる。
「和、寂しかった?」
目の前にある和の頬を少し冷たい両手で包みながら問いかける。
「俺に会えなくて、抱き締めてもらえなくて、キスしてもらえなくて」
少し赤みがかっていた頬が真っ赤になっていく。その赤が、俺の質問の答えがイエスということを教えてくれる。
「和、まだ酔ってる?」
「…なんでこのタイミングでわかっちゃうんだよぉ……」
恥ずかしさからか、俺から視線を反らしてしまう。顔は俺が固定していて反らせなくて、真っ赤な頬は、さらに熱を帯びる。
「こっち見て、和」
俺の声におそるおそる視線を戻す和。潤んだ瞳が俺を見つめる。
「その目、すごく誘われてる気がする」
「……誘ってる、って言ったら?」
「すげー嬉しい」
言い終わるか否か。噛みつくようにキスをした。お互いに見つめあい、鼻を合わせ、俺は和の頬を撫でる。
いとおしい。
この言葉が、ぴったりだ。
どちらからともなくもう一度唇を合わせる。うっすらと開いた隙間に器用に舌を入れ、歯列をなぞる。
はじめはされるがままになっていた和もだんだんと舌を絡めてくるようになる。呑み込みきれない唾液が和の顎を伝っていく。
苦しさをうったえられ、距離が開く。
「ベッド、いこ…?」
可愛い和の願いを叶えるため、抱き抱え寝室へ向かう。