一緒がいい。
第1章 素直になりたくて【O×N】
なんだかすごくいけないことをした気分になり、涙が溢れてきた。恥ずかしさと申し訳ない気持ちとそれから久しぶりのことで感情が振り切って、もう訳がわかんなくなって、溢れる涙をおさえられなかった。
「かず、俺別に怒ってないよ……よしよし、いろいろ、いっぱいだったんだよね」
よしよし。と髪を撫でられるのがすごく気持ちよくてさらに涙が溢れてきた。
そっと、唇の感触が目元にやってきて、驚いてそれまで止めどなく溢れていた涙がぴたりと止まる。
「和、寂しかったんだよね。ずっと、ずっと。俺は和のため、と思って会わないようにしてたけどそれは、違ったんだね。俺が勝手に、和のため。和のため。って自分に言い聞かせてたんだ。
だって、二人きりで会ったらさ、絶対に触れたくなってキスしたくなって、抱きたくなる。止まらなくなるって、わかってたから…」
きれいな指。俺のハンバーグみたいな手とは違って男の人のしなやかな手。いつもより少し冷たい手がほてった頬には気持ちよくて。
「俺、寂しかった。
智に会えなくて、会っても他のメンバーがいつもいて、やりすぎって言われるスキンシップも、今やったら全部爆発しそうで、触れることすらできなくて。
一人でって、何度も思った。でも、どうしてもそれがイヤで。出来なくて、我慢して、……」
「和」
「なに?」
「続き、しよっか」
「さとし…」
もっと素直に求めてしまいたいのに。 けど、そんなことも全部、智はわかっているようで……。
「うんと気持ちよくなろ。和、大好き。愛してるから」
「…おれも、…」
あとに続く言葉がどうしても言えなくて、言いたいのに言えなくて…。目でうったえる。好きだと、大好きだと、愛していると。