今日も明日も
第12章 いたみ
これからしようとする行為は
俺の胸をゾクゾクさせていた。
こんなに興奮する今日の自分は
やっぱり普通ではないと実感する。
冷蔵庫から缶ビールを取り出して、一気に煽る。
体に染み渡る冷たさと苦みに
ギュッと目を閉じる。
空になった缶を投げるように捨ててから
リビングにある棚の中に置いてある
「それ」を手に取って
再びにのの眠る寝室にもどって行った。
にのは自分が包まれていたタオルに巻き付くようにして丸くなって眠っている。
もう一度、にのの隣に身を置きたくて、ベッドサイドに座る。
ギシ…とベッドのスプリングが軋んだ。
その音が
きっと引き金になったのかもしれない。
にのの体を仰向けにして、タオルを外してから
その上に覆い被さるように自分の身を置いた。
そして、さっきリビングから持ち出した
寝室の小さな灯りを受けて妖しく光る
…ペーパーナイフを右手に握りしめた。
その刃先をにのの胸元に当てる。
「にの…」
愛しさを込めて囁いてから
その刃先をスーッと縦に動かした。
ナイフの行方を辿るように、紅い液体が滲み出す。
「やっぱり綺麗…」
白と赤のコントラストに
うっとりと目を細めた。
「…っ」
痛みを感じたからか、にのが身じろぎする。
「相葉さん…?」
目を開けたら目の前にいる俺を
訝しげに呼んだ。
それには答えず、滲んだ赤をそっと舐めとる。
舌に、鉄の味が広がる。
「痛…っ」
舐められた事で、痛みを実感したのか
にのは顔をしかめた。
俺の胸をゾクゾクさせていた。
こんなに興奮する今日の自分は
やっぱり普通ではないと実感する。
冷蔵庫から缶ビールを取り出して、一気に煽る。
体に染み渡る冷たさと苦みに
ギュッと目を閉じる。
空になった缶を投げるように捨ててから
リビングにある棚の中に置いてある
「それ」を手に取って
再びにのの眠る寝室にもどって行った。
にのは自分が包まれていたタオルに巻き付くようにして丸くなって眠っている。
もう一度、にのの隣に身を置きたくて、ベッドサイドに座る。
ギシ…とベッドのスプリングが軋んだ。
その音が
きっと引き金になったのかもしれない。
にのの体を仰向けにして、タオルを外してから
その上に覆い被さるように自分の身を置いた。
そして、さっきリビングから持ち出した
寝室の小さな灯りを受けて妖しく光る
…ペーパーナイフを右手に握りしめた。
その刃先をにのの胸元に当てる。
「にの…」
愛しさを込めて囁いてから
その刃先をスーッと縦に動かした。
ナイフの行方を辿るように、紅い液体が滲み出す。
「やっぱり綺麗…」
白と赤のコントラストに
うっとりと目を細めた。
「…っ」
痛みを感じたからか、にのが身じろぎする。
「相葉さん…?」
目を開けたら目の前にいる俺を
訝しげに呼んだ。
それには答えず、滲んだ赤をそっと舐めとる。
舌に、鉄の味が広がる。
「痛…っ」
舐められた事で、痛みを実感したのか
にのは顔をしかめた。