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今日も明日も

第2章 みつのあじ

早く終わらせたい一心で、撮影もインタビューもサクサク進ませた。

いつものおふざけも、今日は影を潜めている。
もちろん笑顔はそのまま。

結果、予定より1時間以上早く上がり、俺は心でガッツポーズ。
さっさと楽屋に戻って帰り支度をした。

「にの!終わった?」

仕度を終えてにのを見ると…
着替えもせずに智くんとじゃれている。

「あ、ごめん。これからする」
のろのろと智くんから離れるにの。

「何、何かあるの?」
智くんが聞いてくる。
ずいぶん急いでるねー、と翔ちゃんもこっちを見た。

「相葉さんの奢りで飲みに行くの」
言うな!!と止めるより先に、にのが口走った。

「ずるいー!おいらも行きたいー」
「俺も行きたいー」
「俺もー」

二人きりのデートの野望はこれで消えた。
大好きなメンバーに「来るな」とは言えないもん。

それににのも
「皆でたまには飲むのもいいねー」と嬉しそう。


「じゃあ、皆で行こうよ。あ、でも奢りじゃないからね」
俺は3人の方を見た。
「えー」と3人がハモる。

当たり前だろ。皆で行くなら割り勘。
もちろん、3人ともそれは分かってる事で。
わざとふざけてるのも承知。

「そうと決まったら行こ行こ!」
翔ちゃんの一声で、皆が一斉に帰り支度を始めた。

「相葉さん、俺は奢りでしょ?」
コソッと耳元でにのが言う。
「…分かってます」

ぬかりなし。二宮和也。

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