今日も明日も
第12章 いたみ
更に赤がじわりと広がっていくにのの胸元。
また指先に絡めて
にのの目許から1本の線を描く。
「…紅い涙みたい」
今の雰囲気に似合わない笑みを浮かべて
その紅い跡を舌ですくいとる。
「…やめろ」
「綺麗だよ?」
「今日の相葉さん、おかしいよ…」
「だってにのが…っ」
…何だか急に苦しくなった。
苦しくて、苦しくて
息が出来ない。
「…雅紀?」
にのからのいつもとは違う名前呼びに
涙が溢れる。
たまらなくなって
…にのの体を強く抱き締めた。
密着した肌から、暖かい体温が伝わってくる。
「雅紀…」
子供をあやすように、にのが背中をトントンと叩く。
「俺のものになってよ…」
「え…?」
「俺だけを見てよ。…俺の傍にずっと…いてよ」
見てるって言って。
傍にいるよって言って。
でないと…
震えながら、更に抱き締める腕に力を籠める。
「…雅紀は、どうしたいの?」
優しく囁くにのに、のろのろと顔あげる。
間近にあるにのの顔は
…とても美しくて。
「俺のものにならないなら……」
殺したい。
最後の呟きは、自分の涙と共に唇の中に消えた。
ふわりと俺の頬が包まれる。
にのの柔らかい、手のひら。
「いいよ」
「え…」
「雅紀がそれで安心するなら…」
俺を殺して
にのもまた、目尻に涙を貯めて
これ以上にないくらい
綺麗に微笑んだ。
また指先に絡めて
にのの目許から1本の線を描く。
「…紅い涙みたい」
今の雰囲気に似合わない笑みを浮かべて
その紅い跡を舌ですくいとる。
「…やめろ」
「綺麗だよ?」
「今日の相葉さん、おかしいよ…」
「だってにのが…っ」
…何だか急に苦しくなった。
苦しくて、苦しくて
息が出来ない。
「…雅紀?」
にのからのいつもとは違う名前呼びに
涙が溢れる。
たまらなくなって
…にのの体を強く抱き締めた。
密着した肌から、暖かい体温が伝わってくる。
「雅紀…」
子供をあやすように、にのが背中をトントンと叩く。
「俺のものになってよ…」
「え…?」
「俺だけを見てよ。…俺の傍にずっと…いてよ」
見てるって言って。
傍にいるよって言って。
でないと…
震えながら、更に抱き締める腕に力を籠める。
「…雅紀は、どうしたいの?」
優しく囁くにのに、のろのろと顔あげる。
間近にあるにのの顔は
…とても美しくて。
「俺のものにならないなら……」
殺したい。
最後の呟きは、自分の涙と共に唇の中に消えた。
ふわりと俺の頬が包まれる。
にのの柔らかい、手のひら。
「いいよ」
「え…」
「雅紀がそれで安心するなら…」
俺を殺して
にのもまた、目尻に涙を貯めて
これ以上にないくらい
綺麗に微笑んだ。