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今日も明日も

第14章 蜘蛛の糸


そもそも相葉さんだって、悪くないんだ。

全ては

俺の発した言葉が原因なんだから。



「…まずはさ、話せよ」

「え…」


「おまえらで、しっかり話せ」



それは分かってる。

相葉さんが出て行ってから

何回も謝ろうとは思ってた。

…思ってたけど、

その言葉がそこまで相葉さんを傷付けるなんて

にわかには信じられなくて


そんなんで

自分の中でもモヤモヤしてたら

時間だけが過ぎてしまって


すっかりそのタイミングを失ってしまったんだ。



ここまで

相葉さんは一言も発してない。

ちら、と顔を見ると



…未だに冷めたような、冷たい表情。



そっか

俺がどう思ってようと

あの言葉が、相葉さんの心を酷く傷付けたのは

間違いないんだよね。



「ねえ、にの」

大野さんが俺の肩に手を置いた。



「相葉ちゃんなら分かってくれるよ」

「え…」


「だから、ちゃんと向き合えよ」


その後、大野さんは


こんなとこに連れ出してごめんね


そう言うと

相葉さんの傍に移動して

「にのは、相葉ちゃんしか見てないよ」


わざと

俺にも聞こえるように囁いた。




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