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今日も明日も

第14章 蜘蛛の糸


「ちが…っ」

言葉が上手く出ないから

首を振って「違う」と意思表示する。

「嘘。…思ってないなら、あんな事言わない」


相葉さんに

与えてしまった深い闇は

そう簡単には光を取り戻してはくれないのか



「どう…したら…信じてくれる?」


こう、聞いてしまう俺は

ずるいのかも知れない。

だけど

もう、どうして良いのか分からない。




まだ少し震える指で

相葉さんの頬に触れる。

それを黙ったまま受け入れてくれた。


…良かった。今度は拒絶されない。



「俺には…あなたしかいないよ…?」

相葉さんの目を

じっと見つめる。



「……信じられない」

まだ、暗い瞳。


お願いだから

…せめて、その瞳に俺を映して。



「だから…信じて貰うには、どうしたらいい?」

嫌な奴だな、俺。

自分が撒いた種なのに

相葉さんに刈らせようとしてる。




「ずるいよ…にの」

初めて、感情の込められた言葉。

相葉さんが

凄く、辛そうに…苦しそうに顔を歪めた。


思わず涙が溢れてくる。

頬に触れてる指が、更に震える。


「ごめん……」




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