今日も明日も
第16章 みつのあじ 2nd
「なにそのぶー垂れた顔。なら、言わねぇよ」
絶対に相葉くんには良い話なのにさ
潤は「しーらない」と頭の後ろに手を組んで
椅子の背もたれに寄りかかった。
そうやって勿体ぶると、…気になるじゃんか
「ホントに良い話?」
「嘘なんか言わねぇっての」
潤が軽く俺を睨む。
…その顔で睨んでると、なかなか怖いよ?
「ごめん。潤、教えて?」
両手を合わせて、潤を拝む。
チラッと顔を見上げると
「じゃあ、今日おごって」
「は?」
いきなりの取り引き案に
間抜けな声が出てしまった。
「にの、呼んであるんだけど?」
背もたれに体重を預けて、びっくりな台詞。
「え、どういう事?」
今の、聞き間違いじゃないよね?
…ってか、何で潤が呼んでんの?
いきなりの「呼んである」発言と、俺をさておいてにのと会う約束をした潤に
思わずジトッとした視線を投げてしまった。
「あのさ、これは翔さんと智くんも絡んでるから」
「え?」
潤は後ろに組んだ手を戻して
今度はテーブルの上で組み直すと
「…俺達に、感謝しろよ」
ニヤリ、と笑った。