今日も明日も
第16章 みつのあじ 2nd
連れて来られた店の奥
周りから少し離れた個室に通される。
きっちり閉められたドアを開けると
中にぽつん、と座る愛しいにのの姿。
「あれ…?にのだけ?」
俺がそう言うと同時に
「そういう事。…奢りは今度ね」
明日まで、二人でゆっくりしなよ
潤がカッコ良くウインクを決めた。
なに?どういう事?
「潤?」
「俺らはこれから3人で飲むの。あんたらとは別行動。…あ、そうだ」
ポカンとしている俺に近付いた潤は
「俺が帰ったらメール見てみ?」
そう耳許で囁くと
じゃあね、とにのに手を振ってドアの向こうに消えていった。
えっと。
…って事は、存分ににのとくっついて良いんだよね?
改めてにのに視線を向けた俺は
にのの隣にさっさと回り込んだ。
「にの~っ❤」
誰もいないのを良い事に、隣からギュッと抱き締める。
ん?やけに熱いぞ?
にのの体が、いつもより熱い。
「…あーばしゃん…」
にのから発せられた声に
違和感を覚える。
だって
浅い吐息の中に
明らかに艶が交じっていたから。
にのの目の前に置かれたグラスと
その横にある
…見覚えのあるパッケージ