今日も明日も
第16章 みつのあじ 2nd
さっきの潤の言葉を思い出して
慌ててスマホを開くと
翔ちゃんからのライン通知。
…やっぱりだ。
【早く、連れ帰った方が良いよ。あれ、飲んでるからね】
にのを見ると
まだ、そこまでは効いてはなさそうだけど
さっきの声は、既にヤバイ。
「にの、とりあえず帰ろ!」
「ひぁんっ」
腕を掴んだ瞬間にビクリ、としたにのに
俺はゾクゾクしてしまった。
…皆がいないのはこういう事か!
嬉しいけどこれはヤバすぎるっつーの!
俺はにのを抱え上げると
店の人に「具合が悪くなった」と嘘をついて謝って
呼んで貰ったタクシーに急いで乗り込んだ。
タクシーの中では
にのは顔を真っ赤にして浅い息を繰り返している
必死に膝を擦り合わせ
強すぎる疼きに目を硬くつぶって耐えていた。
今ここで
少しでもにのに触れると
甘い声が出てしまうのが分かりきっているから
俺はどうする事も出来なかった。
「もうすぐ着くからね…」
「うん…」
涙目で俺を見上げると
にのはキュッと唇を噛み締めた。