
今日も明日も
第22章 のんりある 旅行編
火照った体を少し持て余しながら
部屋までの短い距離をフワフワした感じで歩く
…ちょっとのんびりしすぎたかな
頭がボーッとしてる
部屋の引き戸に手を掛けたら
気が抜けたのか、膝からガクンと力が抜けた
「あー…やっぱ逆上せた…」
ぺたりと絨毯敷きの廊下に座り込む
おでこを引き戸横の壁に付けたら
そのヒンヤリした感触が気持ち良い
「かず?!」
相葉さんがの声が聞こえた
「ほぇ…?」
「何か音がしたから…ってどうしたの?!」
何だか必死な相葉さんを見上げてみるけど
視界がぐるぐるして、良く見えない
「…立てにゃい」
呂律までおかしくなってきた
途端に体が浮き上がり
俺は相葉さんに抱き上げられて、部屋の中に運ばれた
冷蔵庫のミネラルウォーターのペットボトルが額に当てられる
「…気持ちい…」
「逆上せたんだよ、かず」
心配そうに俺の髪を撫でて、相葉さんが額の上のそれを押さえてくれた
「うん…そうみたい」
