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今日も明日も

第22章 のんりある 旅行編


「部屋、近くて良かったね」

「うん…」

本当だ

これで遠かったら、俺多分廊下で寝てた


「ごめんね…」

「いいよ。出たくないくらい気持ち良かったんでしょ」


「うん…相葉さんも、行ってきなよ」

力の入らない顔で笑ったら

ペットボトルで軽く額を叩かれた

「こんなかず置いて、行けるわけないでしょ」

「ごめんて…」


相葉さんが、額からペットボトルを離す

「水、飲む?」

言われて気が付いた

そう言えば喉はカラカラで

体中が、水分を欲しがっている

「飲みたい」

「自分で飲める?…それとも」

「…飲ませて」


分かってるよ

相葉さんの望む答えは

でも

あくまで「水を飲む」だけだからね



俺の答えに、嬉しそうに頷いて

相葉さんはキャップを開けると、水を流し込んだ


近付く唇を、迎えるように口を薄く開ける

重なった唇から

冷たい水が、俺に伝わってきた


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