
今日も明日も
第22章 のんりある 旅行編
程なくして、食事が運ばれた
普段食べつけないような豪華な夕食に感激しながらも、ついつい食べすぎて
気が付いたら二人とも動けなくなって
片付けに来た仲居さんに、愛想笑いで会話して頑張ったけど
夕食を下げて貰った瞬間、お互いにテーブルに突っ伏した
「…苦しい」
隣の相葉さんが呟いて
「俺も、食べ過ぎ…」
俺も同じように呟くと
どちらからともなく、目を合わせて笑いだした
テーブルに置いた俺の右手に、相葉さんの左手が重なる
「でも、美味しかったね」
にっこりと相葉さんが微笑むから
「うん」
俺も笑って頷いた
「誘ってくれて…ありがと」
「え…」
重なった手を、キュッと握られる
「かずから誘って貰えるなんて、凄く嬉しいし幸せ」
臆する事なく、真っ直ぐ見つめられるから
恥ずかしくなって、思わず目を逸らしてしまった
「ね…かず」
「…なに?」
「月見酒、しない?」
サラッとした誘いに、何故か嫌だとは…
言えなかった
