
今日も明日も
第22章 のんりある 旅行編
だけど
唇を噛み締めたらダメって言われちゃうし
力の入らない手では、そこまで抑えられない気がする
「え?」
いきなり両脇に手を入れられて
お湯から出された俺は、そのまま淵のとこに座らされた
夜風が冷たくて、フル…と体が震える
「はい」
相葉さんに唐突に渡された
…新しい、タオル?
どういう事?
意味が分からなくて、相葉さんを見上げると
「声、抑えなきゃいけないでしょ?」
「うん…」
「本当は、俺の肩でも噛んでくれていいんだけどね?」
「…今、お湯汚すと後で大変だし」
「…?」
分からない
話が、見えない
きっと、顔中ハテナマークだらけだったんだろう
相葉さんは「んふふ」と笑うと
「とりあえず、これ噛んで?」
…手の中にあるタオルを指し示した
「相葉さん?」
「んー…いや、それも離しちゃうか」
何だか勝手にすすめてる
あ、と相葉さんが閃いた顔をすると
「ごめんね」
おれの口にタオルを無理矢理噛ませると、両端を頭の後ろに縛り付けた
