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今日も明日も

第23章 理由はいらない



その日、俺は深夜の仕事で

潤と2人で店を回すと言う、絶好のさぼりシフトだった

深夜なんて、そう客が入るわけじゃないし

やる事さえやってしまえば

ただ、ダラダラしてるだけ


だから、話す事と言えばやっぱ

これしかないわけで


「まだ会えてねぇの?」

「うん…実はアパートの近くにも行ったんだけど」

「…ストーカーかよ」

潤がドン引きしてる

当たり前だよね



「けど、会えなかった」

朝も、夜も

窓を見上げてみたけど

彼を見かけないのはもちろん、部屋の灯りすら付かなかった


「部屋には行ったのかよ?」

「そこまでは…さすがに、ねぇ」

いくら何でも、チャイムまで押したら

絶対ヤバイでしょ


「あ、そこは弁えてるんだ」

いや、あのさ

それって俺をかなりバカにしてない?



「当たり前だろ…」

「だよな、ごめんごめん」

…笑いながら口先だけで謝った潤に、溜め息を付いた



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