
今日も明日も
第23章 理由はいらない
ここで怒ったって仕方ないし
潤だって、友達に聞いたりしてくれたんだし
…こうやって話すだけでも、かなり精神的には助かってる
「ま、何か出来る事あったら言えよ
…協力はしてやるから」
ほら、これが潤の優しさ
だから、何言われても結局は納まるとこに納まる
良い友達に巡り会えたと思う
若いカップルが入店してきた
マニュアル通りの丁寧な接客をして
「ありがとうございました」とお辞儀をして
のろのろと顔を上げた時
「…!!」
一瞬夢かと疑った
だって、あんなに会いたくて
ストーカーまがいの事までして会えなかったその人が
あっさりと目の前にいるんだから
完全にフリーズしている俺にはお構い無しに
その人がカウンターに近付く
動けなくなっている俺に
「あの、?」
小首を傾げたその人は
少しの間、じっと俺を見ると
「あの時の方ですね」
そう言って、ニッコリと微笑んだ
