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今日も明日も

第24章 Still…~誰も知らない~【コラボ企画】


なんで、必ずコケそうになるんだろ

しかもそれは、俺の後ろを来る時に限ってで

並んで歩く時なんて、そんな事一度もないのに



外の駐車場へ続く、長い階段の手前で立ち止まる

それに合わせて、足音がゆっくりになった


「遅い」

「えー…何それ」


苦笑しながら隣に並んで、同じ歩調で階段を降り始める


「あ…」

ふいに、相葉さんが空を見上げた

「どうしたの?」

「見て、あれ」


指を指した向こうには

ビルの間から覗く、富士山が見えた

赤く染まったそれと

夕陽に反射したビルの窓が幻想的に光っていて


人工物と自然との、見事な調和を醸し出したその風景は


「「…絵葉書みたい」」


同時に出た、同じ感覚、同じ気持ち


思わず見つめ合ったら

…二人で、赤くなった



「ふふ、同じだね」

相葉さんが嬉しそうに笑うから

「そうだね」

俺も、何だか嬉しくなった


「スマホで撮る?」

相葉さんが、ポケットからそれを取り出した

でも

「写真だと、見たのと変わる気がする」

だから、いらない

目に、焼き付ければそれでいい


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