テキストサイズ

今日も明日も

第4章 すれちがい


それからは

冷たい床に押し倒されて、相葉さんに溺れるしかなかった。

噛んでいいって言うから、俺は相葉さんにしがみついて肩口に歯を立てる。

「ふ…っう…」

それでも完全に声を殺すことはできなくて。

だって、噛まれてる相葉さんも時折痛みに顔を歪めてるのに…

それを思いきり噛むなんて出来ない。

だけど
イカされた俺の精を後ろに塗り込め、指が入ってきたら

耐えられなくて力任せに歯を立ててしまっていた。
「痛っ…!」
「あ…ご、ごめっ…」

慌てて顔を上げる。

そこはくっきりと俺の歯形と…
所々の皮膚が傷付いて、血を滲ませていた。

「大丈夫…気にしないで」

相葉さんが優しく囁く。そしてそのまま、入れていた指を動かしてきた。

「んー…っ!!」

さすがにまた噛むなんて出来ないから、自分の唇を噛み締める。

イイところを探られるから、声を抑えるのに
必死で、今度は自分の口に鉄の味が広がってきてしまった。

「にの!ダメだよ…唇切れてる」
「だ…って…こうしなきゃ…声、出ちゃう…」

俺の呻くような声を聞いてなのか、相葉さんが動いた。
指を引き抜いて、性急に自身をあてがってくる。

「あ…っ」

グッと押し込んだと同時に、唇で俺のそれを塞いだ。

舌を絡める激しいキスに、相葉さんが律動する度に上がりそうな声は閉じ込められて。

「ん…っん…!」

突き上げてくる衝撃にくぐもった息が洩れる。

唇を塞がれて入りにくい酸素と気持ちよさで頭が痺れてきた。


イキたい。

それしか考えられなくなってくる。

ぎゅっとさらにしがみつく。

相葉さんはそれだけで、俺の限界を察したのか一気にスパートをかけてきた。

「ーーーっ!」

中で一際熱くなったと感じた瞬間、俺の意識は真っ暗な闇に包まれていった。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ