今日も明日も
第4章 すれちがい
「ん…?」
どのくらい経ったんだろ。
目が覚めた時には、何事もなかったかのように衣服は整えられ
…後ろの処理も完璧にしてあった。
のろのろと顔を上げると、心配そうに見つめる相葉さんと目が合う。
「目、覚めた?」
頭の中に、凄い勢いでさっきまでの劣情が蘇り、すぐに目を逸らす。
「…本当、ごめん」
やっぱり謝るんだね。
…でも、本当に楽屋から連れ出した時の相葉さんは怖かった。
二度とあんな姿は見たくない。
「今日、終わったらにのの家に行っていい?」
「…ダメなんでしょ?近付くの」
「何とかする。にのとちゃんと話したい」
「分かった…」
相葉さんがゆっくり立ち上がる。
立てる?と手を差し出すから、それに従ってそれを握った。
でも
「…無理みたい」
腰に力が入らない。足もガクガクしてる。
「ごめん…」
「いいよ。とりあえず、おんぶして」
誰かに言われたら、足挫いたでも適当にいえばいいでしょ
最後まで責任持てよ
相葉さんは分かりました、としゃがむと軽々と俺をおんぶして歩き出した。
楽屋に戻ると、弾かれたように自分達を見るメンバー。
「にのどうしたの!?」
真っ先に駆け寄る大野さん。翔さんはどこかバツ悪そうな顔。…潤は座ったまま心配そうな表情。
「…大丈夫。何でもない」
そっとソファーに降ろされてから、笑って見せた。
「翔ちゃん」
相葉さんは俺が落ち着いて座ったのを確認してから、翔さんに向き合った。
「雅紀…すまん。あれはふざけてただけだから」
多分、翔さんも相葉さんの本気の怒りを目の当たりにしたのが初めてなんだと思う。