今日も明日も
第29章 幸せになりたい
お前がいれば、幸せになれる
未来だって、誓えるのに
今、繋がっているはずの赤い糸は
どこか縺れてしまって、ほどけずにいる
深夜になって、そのままテーブルに突っ伏して転た寝していたところに
スマホに、着信を知らせる震動
テーブルから頬に伝わる震動に驚いて、顔を上げた
そうだ…音、消してたんだっけ
スマホを持ち上げて、ディスプレイを見る
画面に表示されたのは、さっき繋がりたくても繋がらなかった名前
もう、今日は無理だと思ってたのに
逸る気持ちを抑えて、〝通話〟をタップする
「もしもし…」
時間帯だからだろうか
家には誰もいないのに、つい声を潜めてしまうのは
『…相葉さん?遅くに、…ごめんね』
スマホ越しの、聞きたかった声
だけど
「うん…どうしたの?」
そんな想いには気付かれないように、努めて冷静な応答をした
『寝てた?』
「ん…大丈夫、気にしないで」
気遣うような声が嬉しい
『さっき、仕事終わったの』
「そっか…お疲れ様、疲れてるでしょ」