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今日も明日も

第30章 理由はいらない 3rd


二宮さんも、入ってきたはいいけど

テーブルの前に正座したまま、何も喋らないし
…どこか戸惑う様子も見え隠れしていて

おかしな沈黙が俺達を包み込んでいる



あ、正座なんかする必要ないじゃん


「二宮さん、足…楽にしてくださいよ」
畏まった場所じゃないんだし

「あ…はい、じゃあ遠慮なく」

二宮さんは、そう言ってあっさりと足を伸ばすと

「あはは…何か緊張してんのかな」
少し照れたように、笑った

その顔に、ようやく俺も少しだけ肩の力が抜けた

自分の分のボトルのキャップを開けて、喉に流し込む

炭酸が喉に染みて、ギュッと目を閉じた


「あ、俺もいただきます」

続くように二宮さんもキャップを開ける

「あ、コップとかいります?」

いつもそんなの使わないから、気付かなかったけど
二宮さんが直で飲む事が何となく想像付かなくて
コップを取りに行こうと立ち上がり掛けた

「いらない、このままで大丈夫」

そんな俺を見て、“ありがとう“ とにっこりと小首を傾げる


…やっぱ可愛いんだよなぁ


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