今日も明日も
第30章 理由はいらない 3rd
おばあちゃんのいる施設では、俺は玄関入ってすぐの談話室?のような場所で待っていた
二宮さんが、“ここからは1人で行く“ と言ったからだ
最初は一緒に面会するって言ってたけど、
いざ玄関を入って、職員さんと話すうちに
“一人で行く“ と決めたらしい
俺は言われるままに、通されたそこに座り
職員さんの出してくれたお茶をちびちび飲んで過ごしていた
初めて入る、こういった施設
場所によって違うんだろうけど、ここはシンプルと言うか…余計なものが何もない印象だった
テレビで見るような施設は、やっぱり違うのかなぁ…なんて考えながら
垂れ流しのテレビを何となく眺めていると
「相葉さん、お待たせ」
二宮さんが、どことなく嬉しそうに戻ってきた
「もう、いいの?」
「うん」
俺に頷いた後、後ろにいた職員さんに
「ありがとうございました、
…よろしくお願いします」
深く、頭を下げてから
俺を促すように、玄関を後にした