今日も明日も
第32章 ハイスクールDAYS
雅紀の顔が近くて、吐息が掛かる度に心拍数が上がって行く
「…このまま我慢してるつもりだったんだけど」
相変わらず手は上から握られたまま
肩を引き寄せられた
「え、ちょ…近い近い!」
一体何が起きてるんだ
"気持ちを確かめたい" とは思ってたけど
いきなりこんな変な雰囲気なんて、勘弁してよ!
「冗談にして、誤魔化して来たんだよ?
…3年も」
え、と雅紀の方に振り返ったら
…何、その目
何でそんな泣きそうな目ぇしてんの?
「ずっと、黙ってようと思ったのに」
「雅紀?」
俺に言ってるのか、独り言なのか
その表情からは窺い知れない
「ただ、"おホモだち~" なんてふざけて、抑えてくつもりだったのに」
雅紀の顔見てたら、変な雰囲気とか
いきなりの展開とか
シミュレーションとか
どうでも良くなってきた
「ねぇ、雅紀?」
雅紀が、のろのろと俺の目を捉える
「さっき、言ったよね?…雅紀に興味あるのかって」
「うん…」