今日も明日も
第35章 こころ、ふわり
思わず緩みそうになる頬にパチン!と気合いを入れる
お互いがじゃれあう時は、仕事モードにしてるから
いくら触られても平気なんだけど
こういった不意討ちには上手く対処できなくて
…この冷たいとも取れる俺の態度に
アイツが嫌にならなきゃいいんだけど
なんてさ
心配するくらいならそういう態度を取らなきゃいい
それは分かってるよ
分かってるけど
出来ないから困ってるんじゃないか!
そんな事知るはずもないアイツは
昔から何ら変わらずに俺に接してくる
今日だって、会うなりいきなり
「今日にのんち泊めて~!」
と来たもんだ
「何でよ」
「明日のスタジオ、にのんちのが近いから」
特別な用がない限り受け入れている
俺に、その「特別な用」なんてのが滅多に存在しない事も知ってるコイツに
"断られる" 選択はないんだろうな
俺が断れば、次に近い翔ちゃんちに行くのも分かりきってる
「…分かったよ」
だから結局、断れないんだよ