
今日も明日も
第39章 再録・ ミニ短編
「カッコいい、の定義って何だと思う?」
ずーっと悩んでいたけど、分からないから
にのに聞いてみた
「何、いきなり」
怪訝そうな顔
…別にそんなおかしい質問じゃないと思うけど?
「じゃあ、相葉さんは何がカッコいいと思う?」
すぐに返される
「…タバコをクールに吸ったりとか、酒のグラスの氷を鳴らすとか?」
「…それ、学生の発想だし」
思った事言ったのに、笑われてるし
悪かったな、おこちゃまで
「なら、にのは?」
ちょっとムッとしながらもにのの答えを待つ
「俺?…分かるわけないじゃん」
え、あっさり放棄?
にのがゆっくりと立ち上がり
座っている俺の前に来ると、目線を合わせるように腰を降ろした
「相葉さんは充分カッコいいよ?」
「へ?」
「俺にとっては、一番カッコいい」
真っ赤になって、普段なら絶対言わないようなセリフをサラッと言うなんて、おかしい
…おかしい?
「にの、ちょっと」
俺は真っ赤になってるおでこに手を当てた
やっぱりだ
「熱ある。すぐ休みなさい!」
俺はにのを抱き上げて、寝室に連れていった
「そう言うとこもカッコいいよ…❤」
「はいはい」
適当に聞き流して、アイスノンを取りに行こうとしたら
「…今だから言えるんだろ、バーカ」
にのがボフッと布団に潜り込む
…聞こえたよ、今の言葉
なら、俺はこのままでいいんだよね
にのは、このままの俺でいいんだよね
熱のせいにして素直な事を言うにのは、可愛くてたまんないよ
End
