テキストサイズ

今日も明日も

第41章 再録・短編



「はぁ…っ」

勢い良く、俺はベッドから上半身を跳ね上げた

額に貼り付く汗
背中もじっとりと濡れて気持ち悪い

だけど

「夢……」

隣で丸くなって眠るその姿を見留て
安堵のため息を吐いた

「ん…」

ベッドの揺れで覚醒を促してしまったのか
にのがぐっと眉間に皺を寄せながら身動ぎする

ゆっくり開く瞳

「相葉さん…?」

暖かみのある声
さっきの声とまるで違う

「にの、起こしちゃった?」
ごめん、と今度こそその頬に触れようとして指先を伸ばした


"アイバサン…"

「え?」

再び歪む視界
にのの姿が崩れ落ちていく


「何なんだよ…っ」
ー…さっきのが夢で、今は現実じゃないの?






「ああああああああああっ」

「うるさいっ」

ベシッと頭を叩かれて、俺はパチッと目を開けた

「へ…?」
「いきなり叫ぶな、バカ!」

怒りながらも叩いたとこをなでる優しい手

「にの…?」
「なに、…うわっ」

その手を咄嗟に掴んだ

今度こそ、触れる事が出来た

「変な夢見てた…」
「ん?」

「夢の中でまた夢見た」
「…何言ってんのよ」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ