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今日も明日も

第8章 のんりある 番外編

「スミマセン…」

確かに。
長く付き合えてるのって、考えたら翔ちゃんだけじゃん。

翔ちゃんがいれば満足だったから気にした事なかったけど
そっか。
呆れられたのか

ま、いいや

「智、今日の夜空いてる?」

「年中無休で空いてる」

俺の返事にぶはっと翔ちゃんが吹き出した。

「なんだ、それ…」

あれ?変な事言ったかな…

「本当智って…まあ、いっか。じゃあ、後で潤の店で。あ、今日は雅紀は抜きね」

「わかった」

じゃあね、と通話が途切れる。

ちょうど昼休みも終わったから、俺は喫煙所を出て自分のデスクにについた。


「大ちゃん!どこ行ってたのーっ?」
ごはん、食べに行こうと思ってたのに!

プーっと膨れた雅紀が隣に戻るなり文句を垂れる。

「電話してたんだよ。…昼、何食ったの?」
「食べてないよっ」

ああ…そうだった。

雅紀って、ああ見えて実は凄く寂しがり。

社交的で誰とでもフレンドリーになってるように思うけど…
会社では俺以外とはあまり接しようとしていない。

「…俺も、食べ損ねたんだ。外回り行くって言って遅昼しよっか」

「うん!」

雅紀が嬉しそうに仕度を始める。

翔ちゃんが二宮くんを気に入ってるように、俺もまた、雅紀を気に入っている。
何だかほっとけないんだ。


仕度を終えた雅紀が、俺のスーツを引っ張った。
「大ちゃん、行こっ」
「あ…うん。行こっか」

外回りしてきまーす!と二人で声を揃える。

行ってらっしゃーい、と背中に受けながら、オフィスを抜け出した。

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