今日も明日も
第8章 のんりある 番外編
結局、雅紀とごはん食べて、グダグダしてたら
あっと言う間に帰社時間になってしまった。
1件くらいは回ろうと思ってたんだけど…
「ま、いっか」
深く考えないのが俺だ。
「雅紀、直帰していいよ。後はテキトーに報告しとくから」
「本当?ラッキー!ありがと、大ちゃん」
じゃあ帰るねーっとさっさと目の前から立ち去っていく雅紀。
…早い。
仮にも先輩だよね、俺…
一緒に戻りますよ!くらいねーのかよ
ぐんぐん遠くなる背中に、何も言えなくて…ただ笑うしかなかった。
《仕事終わった。潤の店向かうね》
会社への報告が終わったから、翔ちゃんにメールした。
すぐには返事は来ないだろうから、スマホをポケットに突っ込もうとして
「うわっ」
すぐに来たスマホの震動に慌てた。
短い震動はメールの知らせ。
差出人は…
「はやっ」
翔ちゃんだった。
《俺も向かってるよ》
なんだ。翔ちゃんも、終わってるんだ。
なら、ちょっと急ごうかな
デスクの上の鞄を掴むように取って、少しだけ早足で歩き始めた。
そういえば
俺、翔ちゃんに会うのって何でこんなにいつも楽しみなのかな
…考えた事なかったな
「ま、いっか」
これが俺の口ぐせになったのはいつからだろう