テキストサイズ

今日も明日も

第42章 おさななじみ



「…帰って」
泣きそうな声で言われて

自分の気持ちが分からなくなった今 “嫌だ“ と言えなくなってしまった

だってこれ以上ここにいたら
…かずの傍にいたら

何か過ちを犯してしまう気がする


俺はゆっくり立ち上がって

「帰るよ…」
かずの顔を見る事なく、その部屋を後にした


パタンと閉められたドア

その1枚が、とてつもなく厚い壁に感じていた






翌日からは、俺もかずに話しかける事が出来なくなった

朝の登校も、一緒に行かなくなった

廊下ですれ違っても、目を合わす事もしない


部活も、やる気がなくなって
殆ど行かなくなった

そして彼女にも
“相葉くんは私を見てない“
と言われて、あっさりとフラれた



無気力って、こういう事を言うんだろうか

あんなに好きだったバスケにも興味を失って
毎日食べても飽きなかったメロンパンも食べなくなって

休日はいつも誰かしらと遊んでたのに
一日中家に、…ベッドの上で過ごすようになった



ストーリーメニュー

TOPTOPへ