テキストサイズ

今日も明日も

第43章 やさしいキスをして


何だか寝てるのがいたたまれなくて、ベッドから抜け出した

ドアを開けた先のリビングに、相葉さんの姿が見えない

ー…まだ風呂場にいるの?

ペタペタと裸足で灯りの付いている風呂場を目指すと

中から、誰かと話す相葉さんの小さな声が聞こえてきた

…電話中?
こんな時間に?


「…分かってる、うん、大丈夫」

「あはは、平気だよ。…ありがと」

誰と話してるんだろ
何だか凄く親しげだけど


…笑顔なんか見せちゃってさ
俺のとこに戻らないで、何してんだよ


「…相葉さん」
相葉さんがまだ話し中なのに、待てなかった

気付いたら、その後ろ姿に声を掛けていた

無意識の、…多分、やきもち


声を掛けられて、相葉さんが振り向く

俺の姿を見た途端に、困ったような顔をして

「起きたから、切るね」
すぐに通話を終わらせた

「まだ、沸かないよ?」
ー…寝てなきゃダメだよ

入口で立ち尽くす俺に、今度は優しく微笑んだ

ストーリーメニュー

TOPTOPへ