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今日も明日も

第43章 やさしいキスをして


その瞬間、俺は相葉さんの胸に飛び込んでいた

それは本当に衝動的で

自分でも、何でそんな事をしたのか分からない


「にの…?」
いきなり飛び込んだ俺に、相葉さんも驚いてるのが伝わる

俺も自分でしておいて驚いた

寂しくなったってのだけは事実で
…ほんの数分が、やけに長く感じてしまったんだ

「どしたの、にの…」

「……」

「もしかして、寂しくなっちゃった?」

だけど相葉さんは、俺が何も言わなくても
こうして気付いてくれる

ギュッとシャツを握りしめると

「にのはさ、具合悪いと寂しがりになるんだもんね」
なんて言って抱き締めてくれて


電話を中断させた事を咎めもせず
すぐに俺を優先してくれて


胸に埋めていた顔を上げると
相変わらず相葉さんは優しく微笑んでいて


…キスしようとして、我に返った


そうだ、俺…熱あるんじゃん
風邪だったら、移しちゃう

「…ごめん」
肩に手を置いて少し離れようとしたけど

相葉さんは離してはくれなかった





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