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今日も明日も

第43章 やさしいキスをして


相葉さんが俺の顔を覗きこむ

「キス、してくれないの?」
少し首を傾げて、悪戯な目をした

「風邪だったら…移しちゃうから」
恥ずかしくて恥ずかしくて、目を逸らすけど

相葉さんの視線からは逃げられなくて


「にののなら、移っていいのに」
そう言って、せっかく思い留まった俺に構わず

…相葉さんの唇が俺のそれを塞いでしまった

触れる唇が熱い

その熱さが俺なのか相葉さんなのか分からないけど
一度触れてしまったら、もう離したくなくなった

啄むキスじゃなくて
そんな優しいキスなんかじゃなくて

もっと深くまで、欲しくなった


自分から、相葉さんの首に腕を絡ませてキスをねだろうと動いた瞬間

浴槽準備の終わったメロディー音


その絶妙なタイミングに思わず舌打ちしたら、相葉さんが小さく笑った



「ほら、沸いた……あったまっておいで」
そう言って離れようとする相葉さんのシャツをキュッと摘まむ

「にの……?」
不思議そうに見つめる相葉さん




「…一緒が、いい」


ー…俺の顔、痛いくらいに熱い


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