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今日も明日も

第1章 こくはく

思わずお互いに顔を見合わせた。

「何て言うかさ」

相葉さんがポツリと呟く。

「にのだから、平気だった」
「え?」

予想外の言葉だった。

「男とか、女とかじゃなくて、にの。だから」
「じゃあ、俺が嫌じゃなかったのは…相葉さんだから?」


答えが見えた気がした。

だけどそれが恋愛対象なのかはまだ分からない。
多分、相葉さんも分からないと思う。

「それはゆっくり考えてこうよ。とりあえず、まだ何も考えなくていいんじゃない?」

そう言って、相葉さんは再び俺に背中を向けた。

「ほら。寄っ掛かっていいよ」
「うん」


いつもの位置。
まだドキドキするけど、あったかい。
ゲームを下に置いて、俺は目を閉じた。

相葉さんが、クスッと笑った気がした。

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