今日も明日も
第44章 恋空模様
「何…迷惑って……」
予想もしてなかった言葉
…二宮くんがそんな風に考えてるなんて、思ってもみなかった
「俺はね、二宮くんと仲良くなりたいの」
「え…」
「あのピアノを聞いてから、二宮くんに興味持った
それに、…さっき、聞こえちゃった」
また一歩近付くけど
今度は下がらないでいてくれた
「また…来てくれるかな、って言ってたよね」
「それは……」
「俺、嬉しかったんだけど」
更に一歩近付いて、二宮くんとの距離が縮まる
もう涙は流れてないけど、未だに潤む瞳が微かに揺れた
「今更だけどさ、俺と友達になってくれない?」
そう言って、右手を差し出してみたら
二宮くんがその手をじっと見つめて、それからゆっくりと顔を上げた
「…俺といてもつまんないよ?」
「そんなの分かんないでしょ」
「友達いないし…」
「じゃあ、俺が友達1号だね」
「…相葉くんって、変わってるね」
「良く言われる、…ってオイ!」
二宮くんがクスクス笑った
その初めて見る笑顔は、女の子みたいに可愛かった
「友達になってくれるなら、握手しよ」
差し出した右手をずいっと更に突きだすと
「よろしく…お願いします」
照れたように、それを握り返してくれた